APPLICATION MANUAL

このドキュメントはVSTプラグインシンセサイザー”MORION-W”の操作マニュアルです。

MORION-Wについてはこちらからどうぞ。

はじめに

MORIONのGUIはシンセサイザーの機能や効果など、なるべくアプリケーション単体で仕様が分かるようにデザインしていますが、画面の制約やシンセサイザーの特性上分かりにくい部分もあるかと思います。そのうえでこのドキュメントがMORIONを使いこなす道しるべとなれば幸いです。

なお説明の都合上、FM音源や波形メモリ音源、MIDI等そのものについての解説はしておらず、ある程度の知識がある前提で記述しています。また、仕様等について一般的な解釈とズレがあったり、パラメーター名称等の表現ブレがある可能性があります。こちらについては音源仕様操作パラメーター資料項等にて詳説を含めますので、すり合わせをお願いします。

音源について

MORION-Wは波形メモリ音源相当の波形でFM変調する音源を搭載したVSTプラグインシンセサイザーです。

”メモリ音源相当の波形でFM変調する”というと少し特殊に聞こえるかもしれませんが、構造としてはシンプルで、波形テーブルサイズが極少という点以外は普通の2オペレーターFM音源として設計しています。

前述の構造を含め、ADSR等のパラメーターは他音源を参考にして設計してるため、既存の音作りのノウハウを生かすことができるでしょう。

因みに1オペレーターのみの出力も可能で、その場合、FM変調されない普通の波形メモリ音源としても使用することができるようになっています。MORION-Wは波形の編集機能を持っているので単体でも様々な波形を作成することができますが、ファイル入出力も可能です。外部エディターで作成したものを使用したり、他波形メモリ音源に流用したり上手にお使いください!

音源仕様

音源方式2オペレーターFM(PM)シンセシス
最大発音数2 ~ 1024
波形テーブル数2
波形テーブルサイズ4 ~ 128サンプル数の可変式
波形値の記録精度8bit
LFO1基(OPA,B共有)
エンベロープジェネレーター振幅EG 2基
フィルターIIRローパスフィルター1基
音声合成整数演算→浮動小数演算 (LPFの手前でD/D変換)

ブロックダイアグラム

SYNTHESIZER OUTPUT

シンセサイザーセクションの最終出力です。

[関連項目:操作パラメーター → SYNTH-OUT]]

BIT REDUCTION

ビット深度を落としているとき、シンセサイザーの出力(16bit)を設定した値へ落とします。

ビット深度値が出力と同じ(16Bit)場合は処理がスキップされます。

[関連項目:操作パラメーター → BIT DEPTH]]

D/D CONVERT

整数演算→浮動小数演算

シンセサイザー内部は整数演算により音声合成しています。フィルター処理以降は浮動小数演算処理するため、この時点でデジタル変換しています。

LOW-PASS FILTER

IIRローパスフィルターです。この処理はバイパスできます。

[関連項目:操作パラメーター → LPFセクション・パラメーター]]

MONO to STEREO2CHステレオ化
MASTER PAN

定位です。

[関連項目:操作パラメーター → PAN]]

MASTER VOLUME

このセクションの最終出力です。

[関連項目:操作パラメーター → VOLUME]]

RESAMPLE

内部サンプリングレートを落としているとき、ホストアプリケーション(DAW側)に合わせてリサンプリングを行います。

内部サンプリングレートがホストと同じ場合は処理がスキップされます。

[関連項目:操作パラメーター → SAMPLE RATE]]

APPLICATION OUTPUTMORION-Wの最終出力です。

画面の構成

メニューバー

メインメニューボタン

プリセットの入出力、UIの設定などを行えます(下項参照)。

セレクタータブ

3ボタン構成でメイン画面システム画面波形ジェネレーター画面を切り替えます。

波形エディター画面の折り畳みボタン

アプリケーション右側の[波形エディター画面]を折り畳み(展開)できます。

メインメニュー内項目

FileImport Preset波形を含む音色のプリセットデータを読み込み(書き込み)します。
Export Preset
User InterfaceWave Editor Style波形エディターの外観を変更できます。
GUI Reflesh Rate

画面の更新間隔を変更できます。

FPSが高いほど画面が滑らかに動きますが、負荷が高い場合は値を下げてください。

Grid Opacity [A]波形ビュー(OP A)の、グリッドの透明度を調整します。
Waveform Opacity [A]波形ビュー(OP A)の、波形の透明度を調整します。
Grid Opacity [B]波形ビュー(OP B)の、グリッドの透明度を調整します。
Waveform Opacity [B]波形ビュー(OP B)の、波形の透明度を調整します。
MORION W / Ver:xx.x.xこのアプリケーションのバージョン

切替画面

メイン画面

オペレータの出力設定やADSRなどの音色に関わるパラメーターなど音作りに必要なパラメーターを集約しています。

システム画面

LPFの設定やマスターボリューム、ビット深度などシステム全体に関わるパラメーターを集約しています。

波形ジェネレーター

波形の形状、振幅、周期など指定して波形を生成し、波形テーブルに書き込むことができます。

波形エディター

この画面では各オペレーターの波形を視覚的に確認できるほか、リアルタイムに編集するためのツール一式がまとめられています。

パラメータービュー

カーソルに合わせている波形の、波形テーブルのインデックス値、波形の位相を表示しています。

左から[10進数表示]、[16進数表示]、[位相(π)]

カーソルに合わせている波形値を表示しています。

左から[10進数表示]、[16進数表示]、[符号付き表示]

同期編集ボタンです。

このボタンがオンのとき、波形ビューで直接操作する際にOPA、Bの両波形を同期して同時に編集することができます。

この機能はOPA、Bそれぞれのテーブルサイズが異なっていても使用可能です。

波形ビュー

このビューではマウス操作でリアルタイムに波形を編集することができます。

左ドラッグ上下ドラッグで値を増減させます。この操作ではマウスダウンした波形値のみ操作します。
右ドラッグドラッグ中フリーハンドで波形を描くことができます。
マウスホイールカーソルに合わせている波形値を増減させます。

このビューで操作する波形値は[ビット深度指定]で値範囲を固定することができます。

[関連項目:編集ボタン → ]]

[関連項目:編集メニュー → Steps [Direct Editing]]

編集ボタン・他

波形値を+(-)1、上下にずらします。 波形を1つ分、右(左)方向にずらします。
波形値を+(-)8、上下にずらします。 波形を1/4π、右(左)方向にずらします。
波形値を+(-)32、上下にずらします。 波形を1/2π、右(左)方向にずらします。
波形の上下を反転します。 波形の前後を反転します。
波形値をx2して増幅します。 波形値をx1.5して増幅します。
波形値を1/2して縮小します。 波形値を2/3して縮小します。

記憶領域から波形を呼び出します。

[関連項目:編集メニュー → Load,Save]

波形ビューで操作する波形値を表示のビット深度で値範囲を固定することができます。

クリックする度、順繰り。

[関連項目:波形ビュー]

[関連項目:編集メニュー → Steps [Direct Editing]]

波形ビューの波形の透明度を調整できます。

アイコンを上下にドラッグで調整。

[関連項目:メニューバー・メニュー → Waveform Opacity]

波形ビューのグリッドの透明度を調整できます。

アイコンを上下にドラッグで調整。

[関連項目:メニューバー・メニュー → Grid Opacity]

編集メニュー

メニュー内より波形テーブルサイズを変更する、波形を保存・呼出するなどできます。

編集メニュー内項目

Table Size波形テーブルのサイズを変更できます。
Copy → [B (A)]もう一方の波形テーブルへ波形をコピーします。
Replace [A ↔ B]それぞれの波形テーブルの波形を入れ替えます。
Load記憶領域から波形を呼び出します。
Save記憶領域へ波形を保存します。
Bit Reduction指定したビット深度で波形値を丸めます。
Steps [Direct Editing]波形ビューで波形値を操作するとき、このメニューで指定したビット深度で値範囲を固定することができます。
Import from Text Fileテキストファイルから波形を読み込みます。[ファイル仕様:テキストファイル]
Export to Text File波形をテキストファイルへ書き出します。[ファイル仕様:テキストファイル]
Covert from WAV FileWAVファイルから波形を読み込みます。[ファイル仕様:WAVデータ]
Covert to WAV File波形をWAVファイルへ書き出します。[ファイル仕様:WAVデータ]

波形ジェネレーター

波形ジェネレーター画面では、基本波形から振幅や周期などを設定して波形を生成し、各波形テーブルに書き込むことができます。

項目一覧

WAVE FORM

6つの基本波形があります。

選択した波形によって使用できるオプションが異なります。

WAVE CYCLE

波形の周期を設定します。

この周期は波形テーブルに対しての周期です。

PHASE SHIFT

波形の位相を調整します。単位はπです。

AMPITUDE

波形の最大振幅を設定します。

ZERO OFFSET

振幅の±0値をオフセットします。

WRITE SIZE

波形テーブルに書き込むサイズを設定します。

テーブルサイズを超える大きさを指定した場合は、書き込める分だけ書き込みます。

WRITE START

波形テーブルに書き込む際の開始インデックス値です。

テーブルサイズを超える値を指定した場合は書き込みをしません。

ADDITIVE SYNTH

加算合成オプションです。波形を正弦波により加算合成して生成します。

加算合成しない場合は直線的な波形になります。

PARTIALS

加算合成オプションが有効の時使用されます。

この値を多くするほど波形の形状が安定します。

また、合成する正弦波の数が多くなり、倍音成分が増えます。

NOISE CYCLE

ノイズの更新周期です。

この周期は波形テーブルに対しての周期です。

RANDOM SEED

ノイズ生成に使用するシード値です。

任意に指定できるほか、ボタンを押してランダムに指定ることができます。

INTERPOLATION

ノイズ間の補間方法を指定します。

None:補間なし

Liner:線形補間

Spline 3:3次スプライン補間

Spline 5:5次スプライン補間

LOOP [HEAD - TAIL]

ノイズ間の補間を指定した場合のオプションです。

このオプションが有効の時、ノイズの始めと終わりの間でも補間を行います。

操作パラメーター

このセクションではアプリケーション上から操作できるシンセサイザーの音色のパラメーターや、システムの設定値などを一覧しています。

メイン画面

システム画面

音色パラメーター

ALG

Algorithm

範囲:4パターン

操作:選択式、オートメーション:〇

OPA、OPBの接続方法を選択できます。

OPAのみ出力OPBのみ出力OPAとOPBを加算合成して出力OPAでOPBを変調して出力

LFO

LFO Wave Form

範囲:4波形

操作:選択式、テキスト入力

LFOの波形を選択できます。

三角波ノコギリ波矩形波ノイズ

FREQ

LFO Frequency

範囲:0 ~ 16384 [0Hz ~ 32Hz]

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

LFOの周波数を調整します。

[0]に設定するとLFOを無効化します。

PMS

LFO Pitch Modulation Sensitivity

範囲:0 ~ 7

操作:目盛スライダー、オートメーション:〇

LFOによる音程のゆらぎ(ビブラート効果)をMIDI CC1[モジュレーション]、およびCC16で操作できますが、この操作の効き具合を調整できます。

PMS01234567
効果量(セント)無効±18.75±37.5±75±150±300±600±1200
PMD、MIDIモジュレーション値を128とした場合の効果量です。

AMS

LFO Amplitude Modulation Sensitivity

範囲:0 ~ 7

操作:目盛スライダー、オートメーション:〇

LFOによる音量のゆらぎ(トレモロ効果)をMIDI CC1[モジュレーション]、およびCC17で操作できますが、この操作の効き具合を調整できます。

AMS01234567
効果量(dB)無効-1.5-3-6-12-24-48-96
AMD、MIDIモジュレーション値を128とした場合の効果量です。

FL

Self Feedback Level

範囲:0 ~ 128

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

OPAの出力で自身を変調します。

FL081624324048566472808896104112120128
変調の深さ0π/32π/16π/8π/4π/2π16π32π64π128π256π512π1024π
EGの精度及び波形テーブルサイズの関係で表の通りに出力されるとは限りません。

TUNE

Fine Tune

範囲:-8162 ~ 8162 [-1200 cent ~ 1200 cent]

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

キー毎の音程を±1オクターブの範囲で調整します。

[キー出力周波数(キー音程 + TUNE + ピッチベンド + LFO PM) x MUL倍率 = オペレーター出力周波数]

MUL

Phase Multiply

範囲:0 ~ 15 [x0.5,x1 ~ x14]

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

キー毎の周波数に下表の倍率で乗算します。

MUL01234~131415
倍率x0.5x1x2x3x4~x13x14x15

TL

Total Level

範囲:0 ~ 127

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

エンベロープジェネレーター(EG)のパラメーターで、キーオン後の出力の最大値を設定します。

TL081624324048566472808896104112120127
dB0-6-12-18-24-30-36-42-48-54-60-66-72-78-84-90inf[消音]
OPBに対する変調の深さ64π32π16πππ/2π/4π/8π/16π/32π/64π/128π/256π/5120
EGの精度及び波形テーブルサイズの関係で表の通りに出力されるとは限りません。

AR

Attack Rate

範囲:0 ~ 127

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、キーオン時の音の立ち上がりの速さを設定します。値が大きくなるほど立ち上がりが速くなります。

このパラメーターを[127]に設定するとこの段階(アタックフェーズ)をスキップしてディケイフェーズに移行します。

DR

Decay Rate

範囲:0 ~ 127

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、キーオン後EGの出力が最大値に達した後(ディケイフェーズ)、減衰する速さを設定します。値が大きくなるほど減衰が速くなります。

このパラメーターを[0]に設定すると出力が最大値を保ち減衰しません(SLが[0]の場合はサステインフェーズに移行します)。

SL

Sustain Level

範囲:0 ~ 127

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、ディケイフェーズ後このパラメーターで設定した音量(サステインレベル)に達するとサステインフェーズ(SR項参照)に移行します。

このパラメーターを[0]に設定するとディケイフェーズをスキップしてサステインフェーズに移行します。

このパラメーターを[127]に設定すると消音までサステインフェーズに移行することはありません。

SL081624324048566472808896104112120127
dB0-6-12-18-24-30-36-42-48-54-60-66-72-78-84-90inf[消音]
EGの精度及び波形テーブルサイズの関係で表の通りに出力されるとは限りません。

SR

Sustain Rate

範囲:0 ~ 127

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、サステインレベルに達した後(サステインフェーズ)の音量が減衰する速さを設定します。値が大きくなるほど減衰が速くなります。

このパラメーターを[0]に設定すると出力をSLで設定した出力値を保ち減衰しません。

RR

Release Rate

範囲:0 ~ 127

操作:ノブ、テキスト入力、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、キーオフ後出力が減衰する速さを設定します。値が大きくなるほど減衰が速くなります。

KC

Key Follow Center Key

範囲:0 ~ 127 [キーナンバー]

操作:スライダー、テキスト入力、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、キーフォローの中心キーを設定します。

AR、DR、SR、RRが中心キーより上のキーでは速く、下のキーでは遅くなります。

キーフォローは、音の立ち上がりや余韻を低い音では遅く、高い音では速くすることでピアノやギターのような音の変化をシミュレーションします。

KS

Key Scaling

範囲:0 ~ 3

操作:目盛スライダー、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、キーフォローの効き具合を設定し、AR、DR、SR、RRの効果量を調整します。効果量は下表の通りです。

AR、DR、SR、RRが中心キー(KC参照)より上のキーでは速く、下のキーでは遅くなります。

KS0123
効果量キーフォロー無効2オクターブで2倍変化1オクターブで2倍変化半オクターブで2倍変化

VC

Velocity Curve

範囲:4パターン

操作:選択式、オートメーション:〇

EGのパラメーターで、キーオン時のベロシティ値(鍵盤を押した時の強弱)でEGの出力の最大値をコントロールできますが、その変化の仕方を4パターンから変更できます。

VSの値が[0:常に100%]の時は無効になります。

VC
変化の仕方最大値に固定前半の変化が大きい常に一定の変化後半の変化が大きい

VS

Velocity Sensitivity

範囲:0 ~ 7

操作:目盛スライダー、オートメーション:〇

キーオン時のベロシティ値でEGの出力の最大値をコントロールできますが、その変化量を設定します。

VCがの時は無効になります。

VS01234567
変化量常に100%98.4375% ~ 100%96.875% ~ 100%93.75% ~ 100%87.5% ~ 100%75% ~ 100%50% ~ 100%0% ~ 100%
EGの精度及びベロシティカーブの関係で表の通りに出力されるとは限りません。

シンセサイザーパラメーター

STANDERD PITCH

範囲:400Hz ~ 480Hz(= A4)

操作:スライダー、テキスト入力

=A4の基準ピッチを調整できます。

PITCHBEND SENS

Bend Sensitivity

範囲:0 ~ 24 (半音)

操作:スライダー、テキスト入力、オートメーション:〇

ピッチベンドの最大変化量を半音単位で変更できます。

SYNTH-OUT

Output of Synthesizer

範囲:0 ~ 127

操作:スライダー、テキスト入力、MIDI:CC11[Expression]

シンセサイザーの出力(整数演算の最大値)を設定します。

この出力はLPFに入る前、整数演算→浮動小数演算に変換される前の出力です。(詳細:ブロックダイアグラム)

LPFセクション・パラメーター

LPF

Low-Pass Filter ON-OFF

操作:ON,OFF

操作:トグルスイッチ

スライダースイッチでローパス・フィルターを有効化するかを選択します。フィルター無効時、関連パラメーターがグレーアウトします。

CUTOFF

Cutoff Frequency

範囲:20Hz ~ 20000Hz

操作:ノブ、テキスト入力

ローパス・フィルターのカットオフ周波数を設定します。

Q

Quality Factor

範囲:0.1 ~ 12.8

操作:ノブ、テキスト入力

ローパス・フィルターのQ値(レゾナンス)を設定します。

アウトプットセクション・パラメーター

VOLUME

Master Output Volume

範囲:0 ~ 127

操作:スライダー、ノブ、テキスト入力、MIDI:CC7[Main Volume]

マスターボリュームを設定します。

この出力はLPFに入った後、整数演算→浮動小数演算に変換された後の出力です。(詳細:ブロックダイアグラム)

PAN

Master Pan

範囲:-64 ~ C ~ 63

操作:ノブ、テキスト入力、MIDI:CC10[PAN]

マスターパンを設定します。

VOL-CURVE

Volume Curve

範囲:4パターン

操作:プルダウン選択、オートメーション:〇

マスターボリュームの音量変化の仕方を変更できます。

PAN-CURVEイメージ特徴
Linear [ B Curve ]音量レベルが直線的に下がるカーブ。
Exponential [ A Curve ]聴覚上の音量が直線的に下がるカーブ。
SineAカーブに近い変化をしつつ、最大音量付近では音量レベルを比較的細かく操作できる、バランスの良いカーブ。
Exponential [ C Curve ]Aカーブの反対のカーブで、最大音量付近の音量レベルを細かく操作できます。

PAN-CURVE

Pan Curve

範囲:4パターン

操作:プルダウン選択、オートメーション:〇

マスターパンの定位感を変更できます。

PAN-CURVEイメージ特徴
Linear [Balance]センターで左右100%出力。左右に振ると片チャンネルの音量レベルだけが下がるカーブ。
Linear [Cross Fade]直線的なカーブで、左右に振っても合計の音量レベルが常に一定になる。(≠聴覚上)
Sineパンニングで聴覚上の音量が一定に聴こえる、いわゆる"均等パワー"のカーブ。
Monauralモノラルモード。MIDIでパンニングせず、DAW側でパンニングしたい場合に有用です。

システムパラメーター

SAMPLE RATE

Sampling Mode

範囲:最大4パターン

操作:プルダウン選択

内部サンプリングレートを設定します。設定できる値はDAW側(プロジェクト設定)のサンプリングレートを基準に1/1、1/2、1/3、1/4のサンプリングレートを指定できます。

DAW側のサンプリングレートが極端に低い場合や、割り切れない値の場合は選択ができません。

SAMPLE RATE(32000Hzの場合)(44100Hzの場合)(48000Hzの場合)(96000Hzの場合)
1/132000 Hz44100 Hz48000 Hz96000 Hz
1/216000 Hz22050 Hz24000 Hz48000 Hz
1/3x14700 Hz16000 Hz32000 Hz
1/48000 Hz11025 Hz12000 Hz24000 Hz

BIT DEPTH

Bit Per Sample

範囲:1 ~ 16 bit

操作:プルダウン選択、オートメーション:〇

1サンプルあたりのビット深度を設定します。

BIT DEPTHOutput (Integer)Output (float)BIT DEPTHOutput (Integer)Output (float)
1-1 ~ 0-1.0 ~ 0.09-256 ~ 255-1.0 ~ 0.99609375
2-2 ~ 1-1.0 ~ 0.510-512 ~ 511-1.0 ~ 0.998046875
3-4 ~ 3-1.0 ~ 0.7511-1024 ~ 1023-1.0 ~ 0.9990234375
4-8 ~ 7-1.0 ~ 0.87512-2048 ~ 2047-1.0 ~ 0.99951171875
5-16 ~ 15-1.0 ~ 0.937513-4096 ~ 4095-1.0 ~ 0.999755859375
6-32 ~ 31-1.0 ~ 0.9687514-8192 ~ 8191-1.0 ~ 0.9998779296875
7-64 ~ 63-1.0 ~ 0.98437515-16384 ~ 16383-1.0 ~ 0.99993896484375
8-128 ~ 127-1.0 ~ 0.992187516-32768 ~ 32767-1.0 ~ 0.999969482421875

POLYPHONY

Max Polyphony

範囲:2 ~ 1024音

操作:プルダウン選択

最大同時発音数を設定します。最大同時発音数を超えて発音すると古いものから消音されます。

資料

操作パラメーター対応表

パラメーター名GUI 操作オートメーションMIDI
ピッチベンド--ピッチベンド
LFO PMD、AMD--CC 1
LFO PMD--CC 16
LFO AMD--CC 17
SAMPLE RATEプルダウン--
BIT DEPTHプルダウン-
POLYPHONYプルダウン--
VOLUMEスライダー、ノブ、テキスト入力-CC 7
PANノブ、テキスト入力-CC 10
VOL-CURVEプルダウン-
PAN-CURVEプルダウン-
LPF ONトグルスイッチ--
LPF FEEQノブ、テキスト入力--
LPF Qノブ、テキスト入力--
STANDERD PITCHスライダー、テキスト入力--
PITCHBEND SENSスライダー、テキスト入力-
SYNTH-OUTスライダー、テキスト入力-CC 11
ALG選択式-
LFO WAVE選択式-
LFO FREQノブ、テキスト入力-
LFO PMS目盛スライダー-
LFO AMS目盛スライダー-
FLノブ、テキスト入力-
TUNEノブ、テキスト入力-
MULノブ、テキスト入力-
TLノブ、テキスト入力-
ARノブ、テキスト入力-
DRノブ、テキスト入力-
SLノブ、テキスト入力-
SRノブ、テキスト入力-
RRノブ、テキスト入力-
KCスライダー、テキスト入力-
KS目盛スライダー-
VC選択式-
VS目盛スライダー-

パラメーター変換表

この変換表によって他FM音源のパラメーターをMORION-W用に変換することができます。

ただしパラメーターに完全な互換性がありませんので、実際の出音を確認しながら調整してください。

OPM系

OPM / MORIONOPM パラメーターMORION パラメーター備考
FB / FL0,1,2,3,4,5,6,70,40,48,56,64,66,74互換性△:(MORION TL:24のとき) 構造が異なる
TL

モジュレーター:TL + 24 (最大127)

キャリア:変換不要

互換性〇
ARAR * 4 + 34 (最大127)互換性△:カーブが異なる
D1R / DRD1R * 4 + 4 (最大127)互換性〇
D1L / SLD1L * 4 (最大127)互換性〇
D2R / SRD2R * 4 + 4 (最大127)互換性〇
RRRR * 8 + 8 (最大127)互換性〇
KS-互換性:検証中
LFO WAVE三角、矩形、ノコギリ、ノイズ三角、矩形、ノコギリ、ノイズ互換性:ノイズは実装方法が異なりx。ノコギリはPM、AM共にアップ。
LFO FREQ-互換性:検証中
PMD-互換性:検証中
AMD-互換性:検証中
PMS0,1~3,4,5,6,70,(1),3,4,5,6互換性△:深さが異なる
AMS0,1,2,30,5,6,7互換性〇
MUL変換不要互換性◎
DT1 / TUNE0,1,2,3,4,5,6,70,7,14,20,0,-7,-14,-20互換性〇
DT2 / TUNE0,1,2,30,4096,5332,6485互換性〇

波形データ・ファイルフォーマット

テキストファイル[.txt](入出力共通)

文字コードASCII
チャンネル数1CH
ビット深度8bit (波形値[00 = -128, 80 = 0, FF = 127])
波形データサイズ~128サンプル(入出力する波形テーブルのサイズに準ずる)
32サンプル波形データのサンプルテキスト 80 99 B1 C7 DA EA F5 FD FF FD F5 EA DA C7 B1 99 80 67 4F 39 26 16 0B 03 01 03 0B 16 26 39 4F 67

・1つの波形値を[F5]のように16進数2桁で記述します。

・必要な数だけ波形値を記述し、その間をスペースで区切ります。

WAVデータ[.wav](入力)

フォーマット1(非圧縮リニアPCM)
チャンネル数1CH
ビット深度8,16,24,32
サンプリングレート任意
波形データサイズ~512バイトまで(実際の読み込みは波形テーブルのサイズに準ずる)

WAVデータ[.wav](出力)

フォーマット1(非圧縮リニアPCM)
チャンネル数1CH
ビット深度8
サンプリングレート44100
波形データサイズ~128バイト(出力する波形テーブルのサイズに準ずる)

いずれの形式でも”波形テーブルのサイズ”は記録されません。

ファイル入力時に適切なテーブルサイズに変更してください。

MIDIインプリメンテーション・チャート

Model : MORION W

Date : 2025.07.07

Version : 25.3.x

FunctionTransmittedRecognizedRemarks
Basic ChanelDefaultX1(*)-16(*)Receive All channel messages
ChangedXX
ModeDefaultXMode 3
MessagesXMode 3
Altered************X
Note Number X0-127
True Voice************X
VeclocityNote OnX0-127
Note OffXX
After touchKeysXX
ChannelXX
Pitch Bend XO
Control Change1XOLFO Modulation Depth [PM + AM]
7XOVolume
10XOPanpot
11XOExpression
16XOLFO Modulation Depth [PM]
17XOLFO Modulation Depth [AM]
Program Change XX
Variable Range************X
System Exclusive XX
System CommonSong PositionXX
Song SelectXX
Tune RequestXX
System RealTimeClockXX
CommandsXX
Aux MessagesAll Sound OffXO (120)
Reset All ControllersXX
Local On/OffXX
All Notes OffXO (123)
Active SensingXX
System ResetXX
Notes

O:Yes X:No

Mode 1: OMNI ON, POLY

Mode 2: OMNI ON, MONO

Mode 3: OMNI OFF, POLY

Mode 4: OMNI OFF, MONO

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